ニューヨークの地下鉄で出会った心温まる出来事【体験談】

TanteTatiによるPixabayからの画像

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こんにちは、Boney B(ボニービー)です。

いきなりですが、皆さんはニューヨークの地下鉄と聞くとどのようなイメージを持っていますか?

怖い・汚い・臭いというネガティブなイメージを持っている方も少なくないと思います。

実際にそのような部分も多いのですが、実は面白い一面も持っているんですよ。

電車の中でダンスを披露する若者、ギターを弾きながら自分のCDを売るおじさん、拍手で応援する乗客。
そして、様々な人種がごちゃごちゃに乗り合わせ、色々な国の言葉が飛び交う空間。

なんだか、“生きている”という“強い生命力”を感じさせられます。


さて今回は、そんなニューヨークの地下鉄で出会ったおじさんとの小話です。



目次(読みたいところをクリック)

マスクを顎にかけたおじさん

マスクを顎にかけたおじさん


金曜日の午後7時半。

家路を急ぐ理由も無く、1週間の仕事が終わったという解放感に浸りながら地下鉄に揺られていた。



誰かの声が耳から入っては来るけれど、私には関係ないだろうと無視していたがずっと何かブツブツと聞こえてくる。

いい加減気になって見てみたら、声の持ち主の視線が私に向けられているではないか。

向かい側に座っている男の人が私を見ながらずっと話しかけていたようだ。

携帯電話を使ってはいないし、周りを見渡してみても私とその人を含めて3人しかその車両に乗っていない。

“あっ、この人私に話しかけていたんだ”

とその時分かった。

聞こえていた声がずっと私に向けられた内容だったのなら、結構長い間無視していた事になるのに。。。

おじさん、メンタル強すぎ。



「今日、ニュース見た?」

連日コロナウィルスに関するニュースばかりだから、きっとその事だろう。

「今日はずっと仕事していたのでまだ見てません。」

と答えたらおじさんは、“おじさんのその日の出来事”を話し始めた。



電車の騒音のせいか、自分の英語の実力のせいか、全て聞き終わって分かった内容は、

その方が何かを欲しくて家の近くのどこかに行ったのだけれど、そこが閉まっていたので、少し遠くのどこかに行って今そこから帰ってきているところだという事。

ダメだ、話の詳細が完璧に欠落してしまっている。

その方が、何を欲しくてどこに行ったのか全く分からなかったので、

「今はどこも閉まっていますよね」

と全てに正解できる無難な返しをした。



その後も、コロナウィルスに関して色々と話しをされて、「怖い怖い」と会話の端々に挟んでいたけれど、

マスクはしっかりと顎にしていた。

鼻も口も、物凄くオープンなのだが。。。



その後もおじさんは、その日にあった出来事を色々と話してくれた。

私も話の展開がいまいち掴めないながらも一生懸命聞き、相槌を打っていたら、気分が良くなったのかおじさんはリュックの中から栄養補助食品のプロテインバーを出して渡してくれた。

「わー!!ありがとうございます!!」

とお礼を言ったらその姿を見てまた気分が良くなったのか、再びカバンを開けて味違いのプロテインバーをもう1つ渡してくれた。

ニコニコしながらリュックを閉めているおじさんを見て、

「こんなに頂いたのに、今何も持っていなくてお返しできなくてすみません。」

と伝えたらまたリュックを開けて、新しいポケットティッシュを1つ下さった。

ダメだ。

何かひとこと言ったらおじさんはまたリュックを開けてしまう。

そこで、ありがとうございますという気持ちを込めて会釈をする事にした。

私が下りる駅になり、おじさんにしっかりと

「Please take care of yourself(お体にお気を付けください)」

と伝えてその車両を後にしたが、挨拶した時、おじさんまた自分のリュックの中探っていたな。



あのおじさんのおかげで、人の優しさに触れた時に感じるあの温かい気持ちを久々に思い出すことが出来た。

まとめ

最近のニュースは、コロナウィルスに感染された方の人数や、アジア系の人種に向けた差別的な発言や暴力等悲しい話題ばかりです。

その様なことが起こっているのも事実ですし、しっかりと向き合っていかなければならない内容です。

しかし、このおじさんの様にこのような状況の中でもアジア人だと差別することなく、優しい外国人がいることもまた事実です。

このような気分が滅入ってしまうような時だからこそ、人の優しさがいつも以上に心に沁みたり、小さな楽しみが活力につながったりしますね。